【更新履歴】11/23 イヤホン本体に設置されている通気孔についての解説写真を掲載
11月12日に発売となったJabraのノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤホン、Jabra Elite 85tを発売当日に購入しましたので、ご紹介します。3回目に紹介するのは、イヤホン本体になります。
目次
本ページの紹介内容
Jabra Elite 85tのイヤホン本体について紹介しますが、今回は外観とハードウェアとしての特徴をご紹介します。なお、項目によって比較対象にAirPods Proを挙げて、両者の違いなどを含め細かく紹介しています。
ハードウェアとしての特徴
まずは、イヤホン本体の見た目や外部構造など、ハードウェアとしてのイヤホン本体についてご紹介します。
サイズと重さ
メーカーの技術仕様文書に記載があり、サイズ(長さ x 幅 x 高さ )は 23.1 x 19 x 16.2 mmになっています。
AirPods Proとの比較
高さ | 幅 | 厚さ | 重量(片側) | |
Elite 85t | 16.2 mm | 19 mm | 23.1 mm | 7 g |
AirPods Pro | 30.9 mm | 21.8 mm | 24 mm | 5.4 g |
比較 85t 基準 | -14.7 mm | -2.8 mm | -0.9 mm | +1.6 g |
AirPods Proにあるステム(柄)部分が85tにはない分、高さが一番大きく異なり、およそ1.5cmほどコンパクト設計になっています。一方で重量は、1.6gほど重いはずですが、実際に着用してみると、数値ほどの違いは感じられませんでした。
IP等級
日本工業規格で規定された防水や防塵の程度についての等級をIP等級といいます。
AirPods Proとの比較
IP等級 | 保護の程度 | |
Elite 85t | IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない。 |
AirPods Pro | IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない。 |
IP等級での比較においては、いずれの製品も同等の等級となっており、明確な違いはありません。ちなみに、IPX4を正確に規定している文面では、
IPX4は、飛沫に対する保護を規定している。同様の散水装置を用い、各散水口あたり0.07L/minの水量で、あらゆる角度からの散水を行い、最低5分間の散水で浸水がないことを確認する。
電気設備の知識と技術より引用
とあります。一方で、防塵に関する規定の設定はいずれもなく、不明です。
素材
PC & PC/ABS プラスチック、マイカ塗料、金めっき金属
形状
耳の外側に出る部分は物理ボタンの表面がフラットになっていて、その側面は円筒形になっています。耳の内部に接する部分は曲面処理がされていて、イヤホンの本体部分が耳の中に収まった状態でも、痛みを感じることはありませんでした。内側の曲面処理が人間の耳に優しくフィットするように設計されているのだろうと感じました。
左右のイヤホンの区別
イヤホン本体の内側(耳の中に収まる側)に、それぞれLとRという文字が刻み込まれているので、耳への装着時の区別に困ることはありませんでした。
AirPods Proとの比較
ちなみに、AirPods Proにも左右の区別のために、ステム(柄)の部分にLとRの印字がされています。
装着状態での見え方
真横から見ても正面から見ても、見え方はあまり変わりませんが、傍から見た時の自己主張は比較的少ないのが、本製品の特徴です。
見苦しいおじさんの耳アップで恐縮です。
真横から 正面から
AirPods Proとの比較
AirPods Proの着用時とJabra Elite 85tのそれと比べてみると、無印AirPodsよりは短くはなっているものの、ステム(茎、AirPodsの柄の部分)が耳の中から真下に突き出ていいます。そんなAirPods Proと比べると、85tの方は耳の中にスマートに収まっているように見受けられます。
AirPods Pro Jabra Elite 85t
構造
イヤホン本体左右それぞれの共通の構造として、
- 各種操作用途の物理ボタン
- バッテリー残量を示すLEDインジケーター
- 通気孔 × 2
- マイク × 2
が備え付けられています。
85tから初めて付いた通気孔
Jabraの完全ワイヤレスイヤホンシリーズとしては、85tで初めて通気孔が設けられています。読んで字のごとく、イヤホン内部にも空気が通る道を用意することで、密閉型のイヤホンで感じられやすい圧迫感の低減が期待されます。一方で、外部のノイズの侵入も想定されることから、ノイズキャンセリング機能を最優先にした購入を予定されている場合、事前に店頭デモ機で実際のノイズキャンセリング機能の効き方を体感いただくと良いかと思います。
マイク
外部音や自分の声を拾うためのマイクが本体外側に2か所設置(上の写真で矢印で示している2か所)されています。大きいマイク側が31個穴が空いていて、少ない方は7個穴が空いています。これまでにメディアを通して伝えられた内容では、『左右の本体に合計6基内蔵するマイクが連動し、フィードバック・フィードフォワードのハイブリッド方式による高度な消音効果を実現する』と説明がなされていますが、外観からは6基あるというマイクを見つけることができていません。
もう少し細かく言うと、フィードフォワード側のマイクは上記で紹介しているマイクであると仮定して、耳の内側に発生しているノイズを拾うフィードバックのマイクがイヤホン本体の耳に接する側に配置されていると考えましたが、いろいろ見まわしても、内側にあるであろうマイクを発見することができませんでした。
現時点で、マイクの数とその配置場所に関して、謎が多いパーツになっています。
物理ボタンの働き
イヤホン本体の表面には、Jabra独特の真円形の物理ボタンが用意(下のイラストのJabraというメーカー名が印字されている円形部分)されており、これら2つのボタン操作により、様々な機能を実行することができるようになっています。さらに、別の記事として取り上げますが、JabraのSound+アプリ内の機能として、下で紹介されている機能の割り当て方もユーザー側でカスタマイズ設定が可能になっています。
音楽コントロール
音楽コントロールの際のデフォルト設定では、下のイラスト説明のように割り当てられています。これら割り当てられた機能の中で特筆すべき点は、音量のUPとDOWNに対応しているところです。後述しますが、AirPods Proには音量コントロールの機能は実装されていません。Jabra Elite 85tを使い始めて、音量コントロールの使用頻度はそこそこ高く、イヤホン本体側で調整が出来るのはやはり便利だと思いました。
音量コントロールの操作カスタマイズは不可
購入してから使い始めるまで知らなかった事実でがっかりしたことがあり、それは何かというと音量のUPとDOWNの実行方法のカスタマイズができない仕様になっている点です。物理ボタンの長押しという操作の性質上、イヤホン本体を押し続ける=(イコール)耳に接しているイヤージェルに圧力がかかることによって、多少の痛みを感じることが私の場合ありましたので、この点は購入する際に気を付けておいて欲しいポイントです。
1ユーザーとしてメーカーへのリクエストになりますが、カスタマイズ機能のアップデートで、音量コントロールの実行を異なる操作へ割り当てができるようになるとうれしいです。
通話コントロール
通話コントロールのデフォルト設定は、以下のイラストに記載されているものになりますが、長い間AirPods Proを使い続けてきた経験上、違和感のある操作は通話終了時の操作が、ボタンを2回押すという点です。通話している状況で会話を終える時には1回押すだけで切れるようにすればいいんじゃない?と思ってます。相手の声の音量コントロールも調整できますが、音楽コントロールの操作同様、ボタンの長押しに割り当てられており、その変更もまたできないため、この点も不満がある部分になります。
ANC、HearThrough、および音声アシストのコントロール
ノイズキャンセリング機能と外部音取り込みモードとなるヒアスルー機能の切り替え、そしてSiriの呼出しのデフォルト操作は以下のイラストのようになっています。Siriは普段からあまり使っていないのですが、ノイズキャンセリング機能やヒアスルー機能は使う頻度はそこそこあります。
AirPods Proとの比較
AirPods Proの場合、ステム部分を親指と人差し指でつまんで押す、という操作によりいくつかの機能が実行できるようになっています。
実行のできる機能を具体的にまとめると、
- 1回押す → 音楽の再生/一時停止、着信した電話の応答と通話の終了
- 2回押す → 再生中の音楽から次の曲へスキップ
- 3回押す → 再生中の音楽の頭出し
- 長押しする → ノイズキャンセル機能オン、外部音取込みモードオン、ノイズキャンセル機能オフの切り替え
という操作が実行でき、またステムの長押しの操作は、ノイズキャンセル機能のONとOFFの切り替えだけではなく、Siriの呼出し機能も割り当て可能になっていました。(いずれかの機能を択一式で設定し、同時利用は不可)
以前に、製品へのフィードバックということで音量コントロールができるようにして欲しいとAppleへリクエストも出したことがありましたが、AirPods Proが販売されて以降、ステムのつまみ押しで実行できる機能には追加アップデートがない状態が続いており、ユーザーの利便性を向上させようとする意志がApple側にはないと感じており、いろいろ調べていく中で、音量コントロール機能を実装しているJabraの完全ワイヤレスイヤホンの存在を知り、最終的にはElite 85tの購入することとなりました。
プロダクト名に、Proという名前を冠するぐらいであれば、無印AirPodsの上位モデルとしての在り方を常にAppleは意識して、製品改善に努めてほしいものです。約3万円という比較的高額な料金を支払っているユーザー側として、ほぼ同じ価格帯の製品でより高機能で利便性の高いプロダクトを提供しているメーカーもあるのに、Appleの対応は残念だなという気持ちを持ちました。一方で、JabraはAirPods Proユーザーが不満に思っているところをリサーチした上で、痒い所に手が届くプロダクトを提供しているのではないかと感じています。
LEDインジケーターの働き
イヤホン本体の物理ボタン上には、LEDインジケーターが備えられており、イヤホン本体のバッテリー残量を色の種類で表しています。なお、下の図の色の説明内に、太陽のマークのような赤色、水色、紫色に関しては点滅することを表しています。
イヤホンバッテリー残量の確認方法
充電保管ケースの中に収納している状態で、ケースの蓋を開いた時にケースの中で納まっている状態でインジケータが残量に応じた色で数秒間点灯します。
以上で、ハードウェア的側面からイヤホン本体をチェックした記事を終わります。次回は、イヤホン本体のソフトウェア面について紹介したいと思います。