AirPods Proの新たなファームウェア3A283は前バージョンよりも乗り物ノイズ除去が明らかに弱化…ノイズキャンセリング機能に絞って評価!

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【更新履歴】11/6 AirPods Proの修理サービスプログラム適応により、2D27のものと交換になったことにより、改めて3A283との比較を行った結果を反映

9/15に新たなAirPodsProのファームウェアとしてリリースされた3A283について、自分が所有するAirPodsProがこのファームウェアにアップデートされた状態で出勤時に着用してみた結果ノイズキャンセリング機能のパフォーマンスに絞って評価してみました。

こちらのページでは、2C54に自動アップデートされたAirPodsProでノイズキャンセルパフォーマンス低下を体感した場面ごとに2D27が適用されたものと比較、さらに、2D27以前のファームウェア時のパフォーマンスとの比較についても、評価します。

アップデート後

検証環境

今回のパフォーマンスの検証は、以下の4つの場面において評価しています。

  • 自分が歩いた時の振動の伝わり
  • 自分の耳からAirPodsProを通して伝わる心臓の鼓動
  • 自分が乗車していない車や地下鉄から発せられる騒音
  • バスや地下鉄に乗車している間に伝わる車内騒音
3A283評価の配点ルール(16点満点)
  • 4点 → ノイズキャンセリング機能が高評価だった初期ファームウェア2B584と同等レベル
  • 3点 → 2D27よりもずいぶんと改善が見られる
  • 2点 → 2D27と比べると多少の改善はみられる
  • 1点 → 2D27から改善が見られない
  • 0点 → 2D27と比べてパフォーマンスの低下が認められる

注意事項

この後ご紹介する複数の評価場面におきまして、どのようなノイズであるのかイメージしやすくするため、iPhoneで実際に録音をした音声データを貼り付けており、プレーヤーで再生ができるようになっています。iPhoneなどのスマートホンやMac、PC等で再生する時には音量にお気をつけ頂くようお願いします。マイクの感度が悪く、くぐもったような録音状態でしたので、あまり参考にならないかもしれません…

自分が歩いた時の振動の伝わり

2D15から2D27にアップデートされた際には改善が見られましたが、今回の3A283は2D27よりも少しだけパフォーマンスの改善を感じられた気がしました。

従って、こちらでの配点は2点になります。

自分の耳からAirPodsProを通して伝わる心臓の鼓動

こちらの場合においては、2D27の時と比べて特に違いは感じられませんでした。2D27の時と変わらずに、引き続き心臓の鼓動が気になることはなく、音楽鑑賞を楽しむことができました。

こちらの配点も、1点となります。

自分が乗車していない車や地下鉄から発せられる騒音

地下鉄入線

こちらの場面での調査の結果、2D27の時と比べて明確な改善は感じられず、逆に通勤途中にすれ違う車のから発せられるエンジン音のノイズが2D27と比べると、多少除去しきれていないのか、一部分のノイズがスルーで伝わっている印象を持ちました。

ただし、そのノイズは2C54の時のように除去ができていなくて不快に思うまでは至らずに、2D27の時に聞こえていたエンジン音の、『サーッ』という音に除去し切れなかったエンジン音が少し加わって伝わってくる印象です。そのノイズは低音域ではなく中~高音域のものに感じました。

したがって、こちらの評価点は0点です。

バスや地下鉄に乗車している間に伝わる車内騒音

バス車内
地下鉄の車内

この場面でも、2D27のノイズキャンセリング機能のパフォーマンスと比べて、3A283では除去しきれずにそのまま伝わってくるノイズを感じました。地下鉄に乗っている時に感じましたが、電車の走行で発せられるノイズに関して、中~高音域の大きな音のノイズ除去がし切れておらず、1枚ベールで包まれているのか遠くでノイズが聞こえているように伝わっている感覚を覚えました。しかし、すべてのパフォーマンスに不満のあった2C54で感じた不快感やそこから多少の改善が見られた2D15の時ほど悪いものではない印象です。

【11/6追記分】バスに乗っている時のエンジン音や振動、地下鉄に乗っている時のレールの上を車輪が通る時の振動が多少のノイズ除去はされているような気がしますが、およそ8割方のノイズはスルーで伝わっている印象でした。その他、車内アナウンスの声はほぼそのままスルーで聞こえていたように思います。ただ、改めて2D15よりは少しはましなものかと思われました。

2D27で発生したビリビリ音は再現せず

2D27が適応されたAirPodsProで、右耳側だけバスや地下鉄が発するエンジン音やモーター音の低音域ノイズに引っ張られてしまっているのか、本体外側についているマイクを震わせているような、ビリビリ音が鳴り続けるという事象が発生していましたが、今回の検証ではそのようなビリビリ音は発生しませんでした。

以上の結果から、こちらでの評価点は0点です。

洗濯機の脱水時に伝わる洗濯槽が高速回転している時のモーター音

2D27に引き続き、自宅内で動いていた洗濯機が脱水をしている時の洗濯槽が回転しているモーター音もそのほとんどが除去されていました。しかし、回転する力で洗濯機本体が小刻みにガタガタと震えている音を2D27で感じることはほとんどありませんでしたが、3A283では相当小さな音ではありましたが伝わってきました。

また、洗濯機のすすぎの際に、洗濯槽に水が注水されている音(中音域~高音域ノイズと思われる)は多少除去されるものの、水の流れ落ちる音が聞き取ることのできるくらいの低パフォーマンスでした。

こちらも過去のバージョンとの比較ができないため、配点は対象外とします。

2D15で感じていた圧迫に近い不快感

こちらは、2D27に引き続きずいぶんと改善され、ノイズキャンセリングモードオンでの圧迫感はあまり感じなくなりました。ただし、そのトレードオフとしてノイズキャンセリングが弱まってしまったのかなという印象です。

まとめ

新たな評価ポイントには配点を行わず、過去の比較ができるポイントに絞りましたが、4つの場面での評価点は0点(2D27と比べて悪くなった)が2つ付く結果となり、残念ながら2D27からノイズキャンセリング機能のパフォーマンスが再び落ちてしまった印象でした。

しかし、その落ち幅は、2C54の時のような急降下ではなく、比較的緩やかであるとも同時に感じています。今回の新たなファームウェア3A283におけるノイズキャンセリング機能のパフォーマンスに関しては、ぎりぎり及第点に残っているというのが、今回の検証から導き出した結論になります。

【11/6追記分】その落ち幅は、2D27でようやく昔の高いレベル付近に戻ったと感じていたパフォーマンスの良さから、特に乗り物のノイズ除去がし切れておらず、その低パフォーマンスぶりに再びガッカリさせられたと感じるほどの落ち込みを感じました。ただし、最悪のファームウェア2C54から多少の改善が見られた2D17よりはすこしだけましな程度だと感じたところです。

参考までに、過去のバージョンにさかのぼって、ノイズキャンセリング機能のパフォーマンスの良し悪しを折れ線グラフに表してみました。初期リリースバージョンの2B584を最高評価となる100点として基準として、過去最悪のファームウェア2C54は0点という最低基準ともしています。

これまでの結果より、3A283は50点と評価しました。

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