6/24に新たなAirPodsProのファームウェアとしてリリースされた2D27について、自分が所有するAirPodsProがこのファームウェアにアップデートされた状態で6/25に使ってみて、評価ポイントをノイズキャンセリング機能のパフォーマンスに絞って評価してみました。
こちらのページでは、2C54に自動アップデートされたAirPodsProでノイズキャンセルパフォーマンス低下を体感した場面ごとに2D27が適用されたものと比較、さらに、2D15以前のファームウェア時のパフォーマンスとの比較についても、評価します。
目次
検証環境
今回のパフォーマンスの検証は、以下の4つの場面において評価しています。
- 自宅隣の敷地に建設中のマンションの工事現場から伝わってくる建設機械の動く騒音
- 自宅内で動いている洗濯機から発せられる騒音
- 会社への通勤時にすれ違う車の騒音
- 会社への通勤時に利用するバスと地下鉄の乗車中の騒音
- 3点 → ノイズキャンセリング機能が高評価だった初期ファームウェア2B584と同等レベル
- 2点 → 2B584から多少の質の低下が見られていた頃のファームウェア2B588と同等レベル
- 1点 → 2D15と比べると改善はみられるが、2B588レベルまでは達していない
- 0点 → 2D15から改善が見られない
注意事項
この後ご紹介する複数の評価場面におきまして、どのようなノイズであるのかイメージしやすくするため、iPhoneで実際に録音をした音声データを貼り付けており、プレーヤーで再生ができるようになっています。iPhoneなどのスマートホンやMac、PC等で再生する時には音量にお気をつけ頂くようお願いします。マイクの感度が悪く、くぐもったような録音状態でしたので、あまり参考にならないかもしれません…
自分が歩いた時の振動の伝わり
2C54から2D15にアップデートされて以来、ずいぶんと改善されましたが、今回の2D27は2D15よりもパフォーマンスの改善を感じることができました。ずいぶんと昔の頃の話となるため正確には比較的ませんが、2B588のころと同等のレベルになったのではないかと思います。
従って、こちらでの配点は2点になります。
自分の耳からAirPodsProを通して伝わる心臓の鼓動
こちらの場合においても、2D27は好パフォーマンスをみせてくれました。心臓の鼓動が気になることはなく、音楽鑑賞を楽しむことができました。こちらの評価ポイントでも、2D15よりもノイズキャンセリング機能のパフォーマンスは改善されたと感じています。
こちらの配点も、2点となります。
自分が乗車していない車や地下鉄から発せられる騒音
実は、この場面でノイズキャンセリング機能のパフォーマンスを推し量った時に、AirPodsProを買ってすぐの頃の2B584に近しいノイズ除去ができているような感覚を覚えました。比較的自分の近いところを車が通りすぎているのに、AirPodsProを通して聞こえてくる車の音は、遠くを入っているような『サーッ』という音に聞こえました。でも、ダンプトラックのような大型車の『ブロロロロォ』というエンジン音についても、多少のノイズは伝わってくるものの、確実にほとんどのノイズを除去できていることも実感できました。
また、地下鉄の駅のプラットホームで地下鉄が入線してきた時の騒音も、2D15のパフォーマンスに比べて確実に改善していると感じるくらい、ノイズを除去できていました。
このパフォーマンスは、2D15では達成できていなかったレベルにしっかりと達していて、ようやく満足のいくノイズキャンセリング機能のパフォーマンスを発揮してくれるようになった(正確には発売当初のパフォーマンスの近いところに戻った)と思います。
したがって、こちらの評価点は2点です。
バスや地下鉄に乗車している間に伝わる車内騒音
この場面でも、2D27のノイズキャンセリング機能のパフォーマンスは、2D15以上に良いものとなっておりました。2D15において、完全に除去することができていなかった低音域のノイズについてもしっかりと除去できています。この場面でのパフォーマンスも、2B588の時と同じパフォーマンスを発揮できているのではないかと感じるくらいのパフォーマンス改善となっておりました。
右耳のAirPodsProだけビリビリ音が発生
ただし、この場面で右耳のAirPodsProが、バスや地下鉄が発するエンジン音やモーター音の低音域ノイズに引っ張られてしまっているのか、本体外側についているマイクを震わせているような、ビリビリ音が鳴り続けるという残念な事象を経験しております。これがなければ、十分に満足できるものなだけに、早急にこのビリビリ音を鳴らないような改善をお願いしたいところです。
こちらの配点は、2点です。(ノイズキャンセリング機能のパフォーマンスに特化した配点のため、ビリビリ音は評価の対象に入れておりません)
建設機械が動いている時に伝わる騒音
こちらの評価ポイントに新たな項目として今回、自宅の隣の敷地の建設現場から伝わる建設機械の動く騒音を加えますが、AirPodsPro未装着時に比べると不快な騒音がずいぶん除去できているように感じました。機械の動く音を完全に除去できていないものの、低音域のノイズは消えており、機械が動いている乾いたような音だけが遠くで聴こえている印象です。
こちらは過去のバージョンとの比較ができないため、配点は対象外とします。
洗濯機の脱水時に伝わる洗濯槽が高速回転している時のモーター音
また、自宅内で動いていた洗濯機が脱水をしている時の洗濯槽が回転しているモーター音もそのほとんどが除去されていました。
こちらも過去のバージョンとの比較ができないため、配点は対象外とします。
2D15で感じていた圧迫に近い不快感
こちらは、2D27でずいぶんと改善されました。多少の違和感はそれでもありますが、あまり気にならないレベルとなりました。高評価です。
まとめ
新たな評価ポイントには配点を行わず、過去の比較ができるポイントに絞りましたが、4つの場面での平均配点が2点という結果となりまして、2B588の時と同等レベルのパフォーマンスにようやく戻ったのかなと感じています。Appleさんが2C54でのファームウェアアップデートによってノイズキャンセリング機能のパフォーマンスを劣化・改悪させた意図がよく分かんなかったのですが、これからも続いてしまうであろうファームウェアの自動アップデートにおいては、2D27よりも劣化・改悪をさせないで、改善をぜひ目指していただきたいところです。当面は右側のAirPodsProから発せられるビリビリ音を改善してもらいたいので、またフィードバックしたいと思います。