AirPods Proの新ファームウェア4A400レビュー!3E751から低音のノイズ除去が大幅に改善!ノイズキャンセリング機能に絞って評価!

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10月6日に新たなAirPodsProのファームウェアとしてリリースされた4A400について、所有するAirPodsProがこのファームウェアにアップデートされた状態で、10月8日に着用して外た時のノイズキャンセリング機能のパフォーマンスに絞って評価してみました。

こちらのページでは、2C54に自動アップデートされたAirPodsProでノイズキャンセルの著しいパフォーマンス低下を体感した場面ごとに、4A400が適用されたもので1つ前のバージョンとなる3E751と比較・採点します。

検証環境

今回のパフォーマンスの検証は、以下の4つの場面において評価しています。

  • 自分が歩いた時の振動の伝わり
  • 自分の耳からAirPodsProを通して伝わる心臓の鼓動
  • 自分が乗車していない車や地下鉄から発せられる騒音
  • バスや地下鉄に乗車している間に伝わる車内騒音
4A400評価の配点ルール(16点満点)
  • 4点 → ノイズキャンセリング機能が高評価だった初期ファームウェア2B584と同等レベル
  • 3点 → 3E751よりもずいぶんと改善が見られる
  • 2点 → 3E751と比べると多少の改善はみられる
  • 1点 → 3E751から改善が見られない
  • 0点 → 3E751と比べてパフォーマンスの低下が認められる

注意事項

この後ご紹介する複数の評価場面におきまして、どのようなノイズであるのかイメージしやすくするため、iPhoneで実際に録音をした音声データを貼り付けており、プレーヤーで再生ができるようになっています。iPhoneなどのスマートホンやMac、PC等で再生する時には音量にお気をつけ頂くようお願いします。マイクの感度が悪く、くぐもったような録音状態でしたので、あまり参考にならないかもしれません…

自分が歩いた時の振動の伝わり

今回の4A400は3E751と比べても、特にパフォーマンスに違いを感じられず、改善は認められませんでした。2C54の時のように、歩いた振動をノイズとして拾ってくるようなことはなくなりました。

従って、こちらでの配点は1点になります。

自分の耳からAirPodsProを通して伝わる心臓の鼓動

こちらの場合でも、3E751の時と比べて特に違いは感じられませんでした。自分の心臓の鼓動が気になることはなく、音楽鑑賞を楽しむことができました。

こちらの配点も、1点となります。

自分が乗車していない車や地下鉄から発せられる騒音

地下鉄入線

こちらの場面での調査の結果、3E751の時と比べて明確な改善を感じました。

外出している途中にすれ違う車から発せられるエンジン音のノイズ除去が3E751の時よりも一層行われており、2C54での最悪な状況からかなり持ち直した2D27と肩を並べるまでは至らないものの、普段使いでは十分なノイズキャンセリング機能のパフォーマンスを発揮しているように感じました。

車のエンジン音が適切に除去されていた時に聞こえる、『サーッ』という車が移動する音を2D27ぶりに感じ取ることができました。

したがって、こちらの評価点は3点です。

バスや地下鉄に乗車している間に伝わる車内騒音

バス車内

バスに乗っている時に感じたのは、3E751の時よりもバスの床下から伝わる低いエンジン音のノイズはなされていて、気になっていた中〜高音域のノイズも前バージョンよりも改善されていると感じます。

なお、3E751時点で検証できた車内の通風孔から出ている空調の風の音については、風の勢いが10月になると弱いため、比較検証するまでに至りませんでした。

地下鉄の車内

地下鉄に乗っている時の比較ポイントの1つ目となる、地下鉄の車輪がレールの上を通る時の振動については、3E751と比べて改善は見られませんでした。具体的には、WF-1000XM4やJabra Elite 85tで除去ができている車輪のガタンガタンという衝撃音が、カタンカタンと多少のノイズ除去がされて聞こえていた程度になっていました。

また、バスと同様に車内の通風孔から出てくる空調の風の音は、バスと同様に風力が強くないため、検証ができていません。

全体的には、3E751と比べて、モーター音や回転する車輪とレールが擦れて発せられるような低音ノイズはより除去されており、好印象でした。2D27では前述したこれらの騒音もまあまあ除去していたので、3E751からは改善が見られているものの、中高音域のノイズ除去はまだまだ改善の余地があるのではないかと考えます。

その他、車内アナウンスはそのままスルーで聞こえていたように思います。

以上の結果から、こちらでの評価点は3点です。

2D27で発生したビリビリ音は再現せず

2D27が適応されたAirPodsProで、右耳側だけバスや地下鉄が発するエンジン音やモーター音の低音域ノイズに引っ張られてしまっているのか、本体外側についているマイクを震わせているような、ビリビリ音が鳴り続けるという事象が発生していましたが、今回の検証ではそのようなビリビリ音は発生しませんでした。

こちらについては、ソフトウェアの問題ではなく、AirPods Pro修理プログラムの対象であったモデルでの経験のため、ハードウェア的な問題だったかと思いました。

洗濯機の脱水時に伝わる洗濯槽が高速回転している時のモーター音

こちら、まだ検証ができておりませんので、後日本記事に追記する形で結果をお伝えします。

2D15で感じていた圧迫に近い不快感

4A400での圧迫感というのは、ほとんど感じていません。一方で、ノイズキャンセリングモードオンにしても、特定の音域(中高音)だけ穴が空いているような感覚で、騒音がスルーで入って来ているのを体感しています。

まとめ

今回リリースされたファームウェア4A400のノイズキャンセリング機能検証のまとめとなりますが、乗り物のノイズ除去が全般的に3E751より随分と改善されていることを体感することができました。

しかし、2D27の時と比べて、Appleがあえて意識して除去をあまりしない方向で味付けをしているのかと錯覚するくらいに中高音域のノイズ除去が機能をしておらず、普段使いの及第点には今一歩達することができていないのかなぁと思います。

参考までに、過去のバージョンにさかのぼって、ノイズキャンセリング機能のパフォーマンスの良し悪しを折れ線グラフに表してみました。初期リリースバージョンの2B584を最高評価となる100点として基準として、過去最悪のファームウェア2C54は0点という最低基準ともしています。

今回の検証結果をまとめた上で得点を付けるとするならば、4A400は70点だという評価をしました。

中高音域のノイズ除去も対応をしてくれたら、文句なしで合格点の80点(2D27と同格)を付けれるところまで、ノイズキャンセリング機能が復調してきています。次回のファームウェアアップデートに期待したいと思います。

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